世界第4位の地震大国である日本で注文住宅を建てるなら、地震対策までしっかり行いたい方が多いのではないでしょうか。構造、地盤、土台、家の形、外装と内装の頑丈さの5つの要素を取り入れることで、地震に強い家と理想の家との両立が可能です。
本記事では、注文住宅で地震に強い家を建てるための5つの要素について詳しく解説します。地震への強度を下げてしまう注意点についても解説するので、ぜひ内容を確認してみてください。
地震に強い注文住宅にする5つの要素
MBSによると2024年1月1日元旦に能登半島地震があり、地震対策への関心が高まっている今、下関にもSランクの菊川断層帯があり、より地震に強い家が求められています。
地震に強い家を一から建てるには、以下の5つの要素を取り入れると効果的です。
それぞれ詳しく解説するので、どうすれば地震に強い家が建てられるのか見ていきましょう。
構造
地震に強い家にするためには、耐震性を高めることが大切です。耐震性を高める構造は、以下の3種類があります。
家の地震に対する強度は、耐震等級1〜3という指標で表されます。建物を建てる際に基準となる最低限の地震対策を行ったものが耐震等級1となり、耐震等級3が一番地震に強い家です。注文住宅で新築を建てる場合、設計時に希望の耐震等級を伝えるようにしましょう。
3つの構造について、それぞれ詳しく解説します。
耐震構造
耐震構造とは、建物自体の強度を上げ、地震の揺れに耐える構造です。2000年の耐震基準改正を機に、全体の約99%の建物が耐震等級1を満たす耐震構造で建てられています。
具体的な耐震構造の1つは、耐力壁の活用です。耐力壁とは、筋交いや構造用合板を貼ることで壁の強度を高くしたもので、水平方向からの力の抵抗力を高めます。ただし、耐力壁の配置が偏ってしまうと、逆に耐震性が弱くなるので、バランスよく配置することが重要です。地震の揺れだけでなく、台風による強風への強度も期待できます。
一方で、柱や梁の強度は、垂直方向にかかる力に耐えるために効果的です。土台との接続部分を金具などで強化することで、縦揺れの対策に繋がります。柱自体の数を増やすのも、建物の強度を上げるのに有効です。
耐震構造は、建物の倒壊を防げますが、ダメージを蓄積するため、繰り返しの揺れには弱い特徴があります。また、地震の揺れを抑えることには特化していないため、建物の内部では、家具等が落ちたり、破損する可能性が高いです。
制震構造
制震構造は、地震の揺れを抑制する構造です。制振装置とよばれる揺れを吸収する装置を組み込むことで、耐震構造より地震の揺れを20%〜30%程度減らすことができます。
制振装置により、しなりながら揺れを軽減するのが特徴で、建物の倒壊だけでなく、建物内部の損傷や家具の転倒も防げるようになります。また、制振装置だけでなくテープもあるので、壁のひび割れ対策も可能です。
耐震構造と違って、繰り返しの揺れにも強く、基本的にはメンテナンスも不要です。制振装置の点検は行っておくとよいでしょう。地震が起きたあとも安心して住めることが最大の魅力です。
しかし、制震構造は地盤が弱いと導入できない場合があります。高層階における揺れの抑制効果が高いため、平屋を考えている場合も、あまり効果がありません。2階建て以上で、耐震構造のデメリットを補う形で、制震構造を取り入れるパターンがおすすめです。
免震構造
免震構造は、地震の揺れが直接建物に伝わらないようにして、揺れを受け流す構造です。3種類の構造の中で一番耐震性の高い構造であり、免震構造の建物はすべて耐震等級3になります。
免震構造は、積層ゴムやローラーなどを使った免震装置を、建物と地面の間に使用することで、装置が揺れを受け流す仕組みです。地震が起こると免震装置が水平に動き、大きく揺れますが、建物自体の揺れは、50%〜80%カットできます。
建物本体の損傷・倒壊のリスク、家具などの転倒のリスクも3つの構造の中で一番低いです。地震後も継続して安全に住むことができますが、制震構造と違って、定期的なメンテナンスや免震装置の交換が必要になり、コストが大きくなります。
また、免震装置は水平に動くため、縦揺れに関しては横揺れほど大きな効果を発揮しません。強風についても地面とは関係ない衝撃のため、揺れを感じてしまうことを把握しておきましょう。
地盤改良
地盤改良とは、柔らかい土やゆるい砂からなる軟弱な地盤を、建物を建てるのに適切な状態に工事することです。軟弱な地盤のまま、家を建ててしまうといくら地震対策を施しても、地盤沈下が起こったり、家が傾いてしまったりする恐れがあります。
地盤改良には、3つの方法があり、地盤改良を行う深さによって強度が高くなります。地表から2mほど掘ってセメント系固化剤を混ぜ合わせる表層改良方法が、一番短期間の工期でコストを抑えられる方法です。
地表から2〜8mまで軟弱地盤の場合、表層地盤改良方法では補えないので、柱状地盤改良工法を行います。円柱状のコンクリート杭によって地盤を強化する方法です。コンクリート杭ではなく、鋼管を利用する小口径鋼管杭工法は、地表から30mまで改良を行うので、一番地盤を強化することができます。
岩盤や砂礫を多く含む地盤は、硬質地盤と呼ばれ、硬く締まりがあり、地震が起こっても揺れにくい性質を持っています。硬質地盤だった場合は、地盤改良が不要で、直接家を支える基礎工事に進みましょう。
家の基礎(土台)
家の基礎とは、建物を支える土台となる部分のことで、家の重さに耐えて地面に伝える役割があります。地盤だけでなく基礎も強くなければ家が傾き、耐震性を損ねてしまいます。
地盤が適した状態になったら、その上に基礎工事を行います。基礎工事は、布基礎とベタ基礎の2つの施工方法があります。
布基礎は、家の土台となる範囲に、逆T字型の鉄筋コンクリートを埋め込む工法で、点で支える仕組みになります。強度はそれほど高くないので、地盤がしっかりしている土地に使用することが多いです。
ベタ基礎は、家の土台部分に鉄筋コンクリートを一面に取り入れる工法です。面で支えるので、家の重さを地盤に均一に伝えることができ、布基礎より安定性があります。注文住宅では、ベタ基礎を取り入れるのが一般的です。しかし、コストが高くなり、地盤のバランスが悪いと傾いてきてしまう可能性があるので、地盤に細心の注意を払いましょう。
家の基礎は、地盤との関係性が重要なので、地盤の状態に合った工法を選ぶことが大切です。地盤と基礎はセットで覚えておきましょう。
家の形
家の形は、正方形や長方形といった四角形のシンプルな形状が耐震性を高めます。屋根、4面の壁、床の6つの面で揺れに耐えるので、倒壊しにくくなるからです。
シンプルな形状の中でも、正方形に近いほうが、6つの面それぞれにかかる衝撃が均等になるので、より耐震性が高まります。地震の揺れがどこか一点に集中することがなく分散できることもポイントです。
また、平屋も2階建てや3階建ての家よりも地震に強い家といえます。高さがないことによって、地震による揺れが少なくなり、建物へのダメージも比較的小さくすることができるからです。強風への強度も期待できるのでおすすめです。
一方で、L字型や、上の階が下の階よりも飛び出している部分があるような複雑な形状は、一点にダメージが集中しやすいので、歪みが生じ、倒壊のリスクが上がります。地震に強い家にするには、向いていません。
外装・内装の頑丈さ
外装と内装も頑丈であることも、地震に強い家にする大切な要素です。壁に隙間ができたり、床が傾いたりすると、小さな損傷から倒壊に繋がる可能性があるからです。
外装の強度は、耐震構造で説明した耐力壁を取り入れることで高めることができます。また、屋根の工夫も重要です。屋根が重いと、建物の重心が上の方になるので、地震が起こった際に崩れやすくなります。スレート屋根やガルバリウム鋼板を使用して、屋根の軽量化を図りましょう。
内装については、壁や天井、床材の素材に工夫をすることで、地震対策に繋がります。色やデザインなどを自由にすることで、理想の家との両立ができるので、クロスの下地は、手を抜かず耐震ボードにしたり、部屋数を増やして柱の数を多くすると効果的です。
また、地震が起こった際、気をつけたいのは耐震性だけでなく火災による二次災害もあります。火に強い素材を使用して、燃えづらく、拡がりにくい火事対策も行っておきましょう。
注文住宅で地震に強い家を建てる際の注意点
注文住宅を建てるなら、デザイン性や快適さを重視したい人は多いと思います。地震に強い家と理想の家との両立は可能ですが、避けるべき設備や内装は少なからず存在するので、把握しておきましょう。
注文住宅で地震に強い家を建てる際の注意点について3つ紹介します。
ビルトインガレージは強度を下げる
ビルトインガレージとは、1階の一部に車庫がある家のことを指します。車庫部分は空間ができ、上が2階の一部になっている構造です。狭い土地で車を管理するために、都心部でよく設計されている人気のビルトインガレージですが、耐震性を下げてしまう大きな原因になってしまいます。
ビルトインガレージ部分は、入口となる道路側に壁がなく、空間になってしまうので、一部に衝撃が加わりやすくなり、揺れの分散をすることができません。地震に強い家の要素である、シンプルな形状ではなくなってしまうのです。
ビルトインガレージを採用には、経験豊富な建築家の設計が重要となります。R+house下関には実績豊富な建築家と提携しておりますので、是非お気軽にご連絡来してください。
大きな窓や吹き抜けはバランスを意識する
大きな窓や吹き抜けも、壁の面積を少なくすることから、地震に強い家には向いていません。しかし、窓や吹き抜けは太陽光や快適さを求めるうえで大切な要素となるので、バランスを意識しながら取り入れるといいでしょう。
吹き抜けを取り入れたい場合は、大きな窓や、窓の数を多くすることは避け、耐力壁を有効活用してバランスを取りましょう。
こう言った点に置きましても経験豊富な建築家の設計が重要となります。R+house下関には実績豊富な建築家と提携しておりますので、是非お気軽にご連絡来してください。
こう言った点に置きましても経験豊富な建築家の設計が重要となります。R+house下関には実績豊富な建築家と提携しておりますので、是非お気軽にご連絡来してください。
大きな窓は、耐震開口フレームを窓の周りに取り入れることによって、ある程度、叶えることができます。窓の数を増やしたいなら、小さめの窓にして、耐力壁の範囲をできるだけ減らさないようにするなどの工夫が必要です。
建てたい家の特徴に合わせて注文する会社を選ぶ
注文住宅を建てる際、自分の理想を叶えられる注文先の会社を見つけることもとても大切です。ハウスメーカー、工務店、設計事務所とそれぞれ強みが変わってくるので、自分にあった会社を選びましょう。
ハウスメーカーは、全国展開されており、対応エリアが広いです。宣伝広告費をかけているため、実際の家のイメージを目で確認できる機会が多いでしょう。デザインや仕様は、ハウスメーカーごとに規格の範囲内で設計され建てられるので、品質が一定なのが強みです。アフターサービスも整っていることから、安心して注文できます。
工務店は、ハウスメーカーよりも費用を抑えることができます。 さらに、設計に関しても制限が少ないので、自由度が上がり、理想の家に近づけることができるでしょう。地域密着型で、その土地の特徴を熟知していることも大きな強みといえます。ただし、工期が長引いたり、工務店によって技術にムラがあるので、注意しましょう。
設計事務所は、設計に特化しており、特別こだわりが強い場合や、複雑な土地の上に建てたい場合などにおすすめです。施工は工務店に依頼しますが、監理体制が整っているため、手抜き工事が行われていないか確認してくれます。しかし、費用が大幅に高くなるので予算と相談しましょう。
下関の注文住宅はR+house下関へご相談ください
土木建設業からスタートしたR+house下関は、下関で創業77年の歴史を持っています。
R+house下関では、耐震性に加え、高断熱性能を持つ住宅や、長期優良住宅といった高性能で地球に優しい住宅も叶えることが可能です。
ネットワークを駆使した仕入れや、資材の合理的な活用をしており、コスト削減にも注力しています。下関市の補助金や助成金を活用したい人にもおすすめです。
R+house下関なら多方面化から、地震に強い住宅を建てることができます。
施工責任者の教育なども実施しているので、ぜひ確認してみてください。
まとめ
本記事では、地震に強い家の5つの要素と、注文住宅で地震に強い家を建てる際の注意点を解説しました。
地震に強い家にするための5つの要素は、以下のとおりです。
デザイン性や快適さとの両立もバランス次第では可能です。まずは、どのような構造にして耐震等級をどのくらい目指したいか考え、R+house下関に相談してみましょう。