注文住宅に憧れはあるものの、建売住宅にすべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
注文住宅ならではのメリットは、立地も建物の仕様も、細かい設備までも自分で決められることです。万が一大地震に遭ったとしても倒壊しないよう安全性を高めたり、冬は暖かく夏は涼しい家にすることも可能です。
一方で、こだわるほど費用が高額になる傾向にあります。ただし工夫次第で総額を抑えたり、ランニングコストを削減することもできるのです。
この記事では、まず注文住宅や建売の特徴を解説し、次に注文住宅のメリットとデメリット、そして注文住宅で後悔しないポイントもお伝えします。
注文住宅だからこそ叶うことや、よくある失敗を把握しておくと、家づくりで成功する確率がグンと上がります。ぜひ参考にしてください。
注文住宅とは?建売や分譲住宅との違い
新築の住宅を購入するなら、仕様をオーダーして家を建てるか、あらかじめ仕様が決められた住宅にするかをまず決めます。オーダーするなら注文住宅、仕様が決まっている住宅は建売・分譲住宅です。
まず注文住宅とは何かをわかりやすく解説し、次に建売や分譲住宅の特徴についてお伝えします。それぞれの違いを見ていきましょう。
注文住宅の特徴
注文住宅とは、土地と間取り、室内の設備や建築材までを、依頼主が指定して建てる住宅です。すべてを決められる自由度の高さこそが、注文住宅の特徴といえます。
住宅の仕様すべてを指定する場合は、フルオーダー方式を選ぶことになるでしょう。また、あらかじめ用意されたプランから選択し、組み合わせることも可能です。これはセミオーダー方式と呼ばれています。
これら2種類の注文住宅について、概要をお伝えします。
フルオーダー
フルオーダーとは、間取りや外観、設備などのすべてを依頼主が自由に決める方式です。あらゆる部分にこだわりを反映させることで、理想の住まいが叶うのではないでしょうか。
「すべてを自由に決める」ということは、すなわち選択をする機会が多々あるのです。ざっと挙げると住宅の規模と価格、外観、間取りやレイアウト、細部となるとドアノブの形やスイッチの位置なども検討していきます。
選択肢の豊かさはメリットですが、人によってはデメリットになるかもしれません。選択項目それぞれの知識が必要になったり、打ち合わせが増えることも予想されます。
セミオーダー
セミオーダーとは、建築業者によって用意された数種類のプランから、依頼主が選択し組み合わせる方式です。住宅の仕様や間取り、設備などのプランが、それぞれ何種類か提案されるでしょう。
細部まで自分で決めるほどのこだわりがなかったり、打ち合わせの時間を確保できない人は、セミオーダー向きの可能性があります。
一方で、用意されたプラン外のことをリクエストする場合、拒否されたり、可能でも追加料金を請求されがちです。また、土地の形状によっては、セミオーダー住宅を建てられないことも懸念されます。
建売・分譲住宅の特徴
建売と分譲住宅の共通点は、土地と家がセットで販売されていて、完成した住宅を購入することです。建売と分譲を同じ意味で扱う業者もいますが、区別するなら、分譲地に建てられたか否かでしょう。
分譲住宅は、業者が確保した土地を区分けして分譲地とし、その地に建てられた住宅です。外観が似た家が並ぶエリアを見たことがあるなら、それはきっと分譲住宅地でしょう。建売は、空いている土地に住宅が建てられ、個別に販売されます。
建売も分譲も、あらかじめ家の仕様や間取りが決められた住宅を購入します。したがって、住居にライフスタイルを合わせることになるでしょう。
注文住宅のメリット
新築で住宅を建てるにあたって、注文住宅か建売のどちらかを選ぶとしましょう。この見出しでは注文住宅のメリットを解説しながら、ときに建売との比較についても言及します。
注文住宅のメリットのひとつに、場所や建物の自由度の高さがあり、これは建売に欠ける特徴です。このように注文住宅にとってのメリットは、建売のデメリットにもなり得ます。
それでは注文住宅のメリットを挙げていきます。
場所・建物・設備の自由度が高い
注文住宅のメリットといえば、なんといっても、こだわりや好みをすみずみまで織り込めることではないでしょうか。ライフスタイルに合う場所を選んだり、おしゃれな外観や機能的な間取りにしたり、趣味やペットに特化した住宅も実現するのです。
土地から購入するなら、通勤や通学に便利な場所に建てるもよし、閑静さや眺望を重視するもよしです。育児に重きを置くなら、子育て支援が手厚い自治体にしたり、進学に有利となる学区にしてもよいでしょう。
リビングに家族が自然と集まる間取りや、料理がはかどる広々としたキッチン、洗濯の際に移動が少なくなる設計。音量を気にせず映画を観たり楽器を演奏したいなら、防音室を作ることもできます。車が趣味なら、ビルトインガレージを設置してはいかがでしょう。
これまでの住宅で不満をいだいていたことは、注文住宅ならきっと解決します。
耐震性や耐久性を高められる
日本は地震が多いため、被災リスクを考慮するのも一案です。もし大規模地震が発生しても、安全が保たれ修理をしなくて済む住居にしたいと思いませんか。
たとえ安価な部類の建売住宅でも、建築基準法に基づいた耐震性は確保されています。ただし、最低限度の基準で建てられた住宅は、損傷によっては建て替えになる強度です。
注文住宅であれば、建築基準法で最高レベルの耐震性にすることが可能です。最高レベルは消防署や警察署と同等で、もし震度6強から7の地震に遭ったとしても、軽微な補修で済むとされています。
ランニングコストが低くなる
どうしても建築費用は気になるところでしょうが、ランニングコストは長期の費用削減に貢献します。燃費の悪い冷暖房を使うほど光熱費がかさむことは、容易に想像できるでしょう。
近ごろは自然を利用する設計によって、エアコンに頼らずとも冬は暖かく夏は涼くなるようです。そのためには太陽の光と熱、自然風を管理し、断熱材や機密性を絶妙に組み合わせる必要があります。
上記の設計はパッシブデザインと呼ばれており、環境にやさしく光熱費の節約にもなるため、注目を集めています。パッシブデザインの建売は滅多に見られませんが、注文住宅なら取り入れることが可能です。
不要なものを省けば費用を削減できる
これまでに住んだ住宅で、ほとんど使わなかった設備はありますか。注文住宅は不要なものを省くことができて、省くほど費用が安くなります。
たとえば床下収納や勝手口がいらなくても、建売住宅には付いているかもしれません。注文住宅なら設置せず、浮いたお金で食洗機のグレードを上げることもできます。
こだわりたい箇所には存分に費用を割き、関心が薄い箇所で節約できるのは、注文住宅ならではのメリットです。
狭い土地や傾斜地でも建てられる
かなり特殊な形状の土地だとしても、注文住宅なら建てられる可能性はあります。
たとえば狭い敷地でも3階建なら広々とした家になります。庭をあきらめる代わりにインナーバルコニーを設置してもよいでしょう。傾斜地を生かしたレイアウトによって、抜群の眺望を叶えたケースもあります。
もし希望どおりの土地が見つからなくても、ハウスメーカー次第で解決できたり、予想外のメリットがあるかもしれません。
注文住宅のデメリット
注文住宅にもデメリットになり得る要素があります。たとえば理想をつめこむことは可能ですが、費用も高額になるでしょう。費用面でのデメリットは、建売住宅なら解決するかもしれません。
一方で、注文住宅の自由度の高さは、ときにデメリットを和らげることがあります。たとえば工夫次第では建築費を抑えることも可能なのです。
注文住宅で後悔しないように、想定されるデメリットを見ていきましょう。
建築費用が高額になる
注文住宅と建売を比較すると、同じ広さと間取りなら、注文住宅のほうが割高な傾向にあります。こだわるほどコストが高額になり、工期が長引くほど人件費も高くなるのは避けられません。
一方で、建築費1000万円代で建てた注文住宅もあり、広々としたリビングとスタイリッシュな内装が実現しています。工夫次第では予算のコントロールが可能なのです。
たとえばキッチンや浴室など水回りを近場にまとめると、コストダウンになります。こだわりを明確にし不要な設備を省くことも、コストカットにつながります。
費用の問題で注文住宅をあきらめる前に、ぜひハウスメーカーに相談してみてください。
入居までに時間がかかる
注文住宅が完成するまでにかかる時間は、土地を見つけてから入居まで約1年が目安です。土地をから探すなら、さらに長引くことが予想されます。
もし転勤や自宅売却などで転居日が迫っているなら、注文住宅の建築期間はデメリットになるでしょう。打ち合わせを省いて完成日を短縮するよりは、むしろ余裕をもって早めに行動することをおすすめします。
完成をイメージしにくい
注文住宅の仕上がりは、建物が完成するまで確認できません。ゆえに完成形を事前にイメージしにくいと感じる人もいるでしょう。
すでに完成している建売住宅を購入するなら、見学会で外観や内装を見ることができます。
注文住宅の場合は、施工事例に基づいたイメージ画像や3DCG、イラストなどで確認するのが一般的です。
期待はずれの仕上がりを避けるには、ハウスメーカーの選択が重要となります。完成形がどのようにシミュレーションされるか、ギャップを減らすにはどうするべきか、親身にアドバイスしてくれる業者を選びましょう。
金融や建築の知識が必要
注文住宅で後悔しないためには、できるかぎり正しい知識を身に付けましょう。資金計画がずさんだったり、建築の常識から外れすぎたりすると、のちに取り返しがつかなくなるかもしれません。
注文住宅で住宅ローンを利用する場合は注意が必要です。一般的に、住宅ローンは建物が完成してから融資されます。しかし注文住宅を建てる際は、着工金や中間金など完成前の支払いが発生するのです。
手持ちの資金で足りなけば、つなぎ融資を利用することになるでしょう。つなぎ融資は、住宅ローンによる融資がされるまでの間に使います。のちに住宅ローンが実行された時点で、つなぎ融資を精算するという流れです。
注文住宅を建てるなら、あれやこれや理想をつめこみたくなるでしょう。しかし素人が考えることが正解とはかぎらないため、住みにくい住居になる恐れもあるのです。
初めて間取りを考案するなら、まず一般的な間取りを調べることをおすすめします。また、設計士の意見を聞くことも重要です。プロの目線によって実用的なプランかをチェックしてもらいましょう。
注文住宅の知識面において不安な人は、「注文住宅が完成するまでの流れと期間は?支払いのスケジュールも解説」をぜひ参考にしてください。
注文住宅で後悔しないためのポイント
注文住宅にせよ建売にせよ、本当に満足できるかは住んでみないとわかりません。ただし、先人たちの失敗を成功の糧にすることは可能です。
せっかく注文住宅を建てるなら、とにかくオシャレな見た目にしたくなるかもしれません。
しかし見た目を重視したら空調が犠牲となり、冬は寒くて夏は暑い住居になったケースがあります。
取り返しがつかない失敗を回避できるように、後悔しないためのポイントを押さえていきましょう。
無理のない予算編成
昨今は土地代が高騰し、建設コストも上昇傾向にあります。注文住宅を建てるか迷っているうちに住宅価格が値上がりしてしまい、想定していた予算では理想が叶いにくくなるかもしれません。
予算を綿密に計算することは重要です。背伸びしすぎない予算を設定し、余力も残しましょう。予算を組む際に最小額と最大額の2段階を設定すると、予想外の出費があったときにも対応しやすくなります。
住人それぞれに、フリー予算を与えるのも一案です。たとえば、ひとりあたり10万円を配分し、各々が設備や内装に使えるようにすると、もめにくくなります。
生活導線の見直し
生活動線とは、日常生活で人が移動するルートを線で示したものです。代表的な例としては、家事をする際に移動するルートの「家事導線」が挙げられます。
注文住宅で後悔したこととして、洗濯導線の失敗をよく耳にします。たとえば洗濯機を1階に設置して、2階のバルコニーで干すとしましょう。重い洗濯物を抱え階段を何往復もするなんて、できれば避けたいところです。
生活導線は人によって正解が異なります。家事導線のみを優先すると、他の住人にとっては不便になる可能性もあるので、住人全員で話し合うことをおすすめします。
収納の確保
収納スペースの不足を後悔する人も多いとのことです。新築時には余裕があったとしても、子供が増えたり成長するにつれ、足りなくなるかもしれません。
家の面積における収納スペースの割合は、収納率と呼ばれています。一戸建ての収納率は13%が標準ですが、基準を満たしても後悔する可能性があります。
効果的な収納は、集中収納を設置することと、さらに適材適所の収納もあるとよいでしょう。集中収納とは住人全員が共用で使う収納で、納戸をイメージしてください。適材適所の収納は、リビングやダイニングなど、物が散乱する場所の付近に設置します。
日常生活に欠かせない収納だけでなく、将来増えるであろう物量も計算して、収納スペースの計画を立てましょう。
暑さ寒さの対策
巨匠と名高い建築家が設計した住居は、建築としての価値は高いものの、残念ながら寒いという声があります。いくら美しい住宅でも快適な室温を維持できなければ、後悔してしまう場合も。
暑さと寒さの対策には、断熱性と機密性の高さが重要になります。断熱材によって熱が逃げるのを防ぎ、機密性は建物の隙間から熱が漏れるのを避けます。
床下の基礎内断熱工法によって、床下の機密性を高めることも可能です。外部による影響を阻止することで、床下の空間が室温と近くなり、床暖房のような効果が期待できます。
下関の注文住宅はR+house下関におまかせください
R+house下関は、真夏でも真冬でも、快適な室温と湿度を保つ住宅を提供してきました。そして、ランニングコストを気にせず暮らしていただけるよう努めています。
R+houseの建築家たちは、建設する地の自然環境や特性を調査し、それに合う設計をしていきます。自然エネルギーを最大限に活用し、機械によるエネルギー消費を削減することで、光熱費を節約しつつも快適な住居となるのです。
注文住宅で後悔しないためには、10年後に役立つ知識を得ることが大切です。R+house下関は、家を建てる前に気を付けるべきことをプロの視点からお伝えしています。ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
注文住宅のメリットといえば、すべてを決められる自由度の高さが挙げられます。家を建てる場所と建物の仕様、設備を依頼主が指定して、こだわりや好みを織り込むことが可能です。耐震性を高めたり、夏は涼しく冬は暖かい住居にすることもできます。
注文住宅のデメリットは費用面でしょうか。仕様や設備にこだわるほど、建築費が高くなる傾向にあります。ただし不要なものを潔く省くことで、総額を抑えられたケースもあるのです。
注文住宅で後悔しないためには、正しい知識を身につけることが何よりも重要です。不安に思うことがあるなら、ぜひプロのアドバイスを聞いてみてください。