近年、建築費が高騰し、モデルハウスを含む中古住宅が注目されています。モデルハウスと聞くと、設計の参考のために見学する建物というイメージが強いかもしれません。モデルハウスは内装を見学することはもちろん、宿泊体験や購入することが可能です。
本記事では、モデルハウスを購入した際の失敗例と失敗しないためのポイントについて解説します。モデルハウスのメリット・デメリットについても触れます。モデルハウスを購入しようか検討している方はぜひ参考にしてください。
モデルハウスを購入した際の失敗例
モデルハウスを購入する際の失敗例には、以下のようなものがあります。
- 住む土地・間取りを選べない
- 修繕費・改修費が必要になる場合がある
- 中古住宅として扱われる
- 内装や設備が新品ではない
モデルハウスを購入したことを後悔している方も少なくありません。モデルハウスの購入を失敗しないためにも、それぞれ詳しく見ていきましょう。
住む土地を変更できない
モデルハウスは土地の範囲が決められているため、変更することができません。実際に住み始めてから不便さや問題点などに気付くことも多くありますが、経験者の話を参考に確認できそうな事は事前に確認し、できるだけ後悔しない土地のモデルハウスを見つけましょう。
モデルハウスは、好立地に建てられる事が多いものの、住宅環境や周囲の環境が希望するものと異なる可能性もあります。実際に、騒音が酷い、周辺地域の治安が悪い、スーパーや病院などから距離があって生活しにくいなど、住んでみてから後悔する方もいます。見学する際などに時間帯を変えながら周辺の状況を確認しておきましょう。
住宅展示会場にあるモデルハウスの場合は、移築する必要があるため、土地を探さなくてはなりません。場合によっては、移築の地域が限定されている、移築場所が決まっていることもあるので、事前にハウスメーカーに確認しておきましょう。
修繕費・改修費が必要になる場合がある
モデルハウスを購入後に予想外の修繕費や改修費が必要になる場合があります。モデルハウスを購入した人の中には安く購入できたものの、修繕費が予想外に掛かり、新築を建てるのと変わらない金額になったという人もいます。
モデルハウスは多くの来場者が出入りするため、購入時には傷や汚れがついてしまっていることも。販売型のモデルハウスであれば水回りの使用を禁止していることが多いですが、宿泊体験可能なモデルハウスでは水回りやトイレ、家電や家具などが使用されている可能性が高いです。
加えて、モデルハウスは1年~5年ほど展示された後に販売となるため、家電などの設備の保証期間が短い可能性もあります。また、家電が故障している可能性も少なからずあります。事前に修繕の必要がないかを確認し、購入前にハウスメーカーと引き渡し時の状態や修繕箇所、費用負担などを交渉しましょう。
中古住宅として扱われる
住宅は築1年以上が経過すると中古住宅として扱われます。モデルハウスの公開期間は、分譲地は1年程度、住宅展示場は3~5年程度であるため、殆どのモデルハウスは中古扱いになります。
中古住宅になると、住宅ローンが組みづらくなる、購入後の欠陥が補償される「住宅瑕疵担保責任保険」に加入できないといったデメリットがあります。「住宅瑕疵担保責任保険」は新築住宅を対象とした、欠陥や不備(瑕疵)が見つかった時に10年間補償する保険です。住宅ローンは、築年数や担保評価額によって借入金額や返済期間に制限がかかる可能性があります。
中古住宅の扱いの住宅は、中古住宅の検査と保証がセットになった「既存住宅売買瑕疵保険」への加入を検討してみましょう。保証期間は1年または5年間(不動産会社等が売主の場合の保証期間は2年または5年)で、期間中に瑕疵が見つかった場合は保険金によって補修が行われます。所定の保険法人が住宅の基本構造部分等を検査する必要がありますが、気になる方は詳細をチェックしてみてください。
内装や設備が新品ではない
モデルハウスは、不特定多数の人が見学に訪れているため、傷や汚れがついてしまうことが多いです。また、公開期間が1年以上なことがほとんどなため、売りに出されるまでに時間があき、設備も新品ではなくなっている可能性があります。
販売型のモデルハウスでは、家具や家電に傷や汚れがないか確認しましょう。モデルハウスには宿泊体験できる物件も存在します。この物件は、水回り設備や家具、家電製品が使用済みである場合が多く、故障していたり汚れや傷が気になることがあるため、事前によく確認しておきましょう。
修繕費や買い替えの予算がかさばり、新築物件の購入と同等の金額がかかってしまったという声も少なくありません。そんな後悔をしないためにも、家の劣化状況や欠陥の有無、改修するべき箇所や時期、おおよその費用などを知ることが可能なホームインスペクション(住宅診断)を行うことをおすすめします。
モデルハウス購入で失敗しないためのポイントは?
モデルハウス購入で失敗しないためのポイントは以下の3点があります。
- 契約書の内容をきちんと確認する
- 周囲環境や住宅に不備がないかチェックする
- ライフプランを考慮して購入を検討する
モデルハウスを購入後に後悔しないためにも、ひとつひとつ内容を確認していきましょう。
契約書の内容をきちんと確認する
モデルハウスを購入する前に、必ず契約書の内容を確認しましょう。内容を把握せずに契約してしまうと、建物に不具合が出た際に売り手と揉めてしまう恐れがあります。
契約書には、建物の欠陥の補償範囲や修繕の対応などが記載されています。買い手側に不利な条件が書かれていないか、不審な点がないかも合わせて確認しておくとよいでしょう。契約書の見方がわからない場合は、建築事務所や建築に詳しい弁護士に相談してください。
また、修繕しなければならない箇所が住んでみてから見つかる可能性もありますので、既存住宅瑕疵保険の加入の有無や保証期間、修繕費はどちらが負担するのかなどもハウスメーカーと確認しておく必要があります。
周囲環境や住宅に不備がないかチェックする
購入を希望するモデルハウスが見つかった際は、周囲の環境は良いか、住宅自体に不備がないかをチェックしてください。家の購入は大きな買い物になるため、妥協は禁物です。
立地が不便、治安が悪くうるさいなど、住んでから気付いた人も少なくありません。そのため、騒音や治安、駅やスーパー、病院との距離などは見学の際などに事前に確認しておくと安心です。住宅は、日当たりや風通しは良いか、設備や家電は問題ないかなどをチェックしましょう。また、耐熱性や気密性などの住宅性能のグレードや劣化、災害リスクも確認できると将来住むときにより良い生活ができるでしょう。
住宅に不備がないか確認するには、前章でも触れたホームインスペクションでプロのチェックを受けると良いでしょう。ただし、費用は目視調査で5~7万円、機材を用いた調査は6~12万円ほどなため、よく検討してください。
ライフプランを考慮して購入を検討する
モデルハウスの購入を検討している方は、長期のライフプランを考慮しましょう。住宅購入は金額が大きいため、入念に計画を立てることが大切です。
まず、家族構成の変化や将来の生活スタイルを見据えて、それぞれに適する間取りを考えていきます。夫婦二人暮らしであればリビングと個室が2、 3部屋といったシンプルな平屋でも十分でしょう。子育て世帯は家事動線を意識した間取りで、子供の成長に合わせて用途を変えられる個室も複数必要になります。また、老後を見据えてバリアフリーの物件を探したり、リフォームするタイミングでバリアフリー対応にしたりすることを検討するのもおすすめです。
また、修繕費や維持費にいくら掛かるのかを含め、今後起こりうるイベントを想像し、どのくらいの資産が必要になるのか金銭面の計画を立てておくのも大切です。自身の収入と支出を算出し、いくら貯蓄できるのか、どのくらいのローン額であれば生活できるのかを可視化することができ、想定外の支出にも備えることができます。自分自身で資産計画を立てるのは難しいため、ハウスメーカーやFPなどの専門家に相談してみると良いでしょう。
モデルハウス購入のメリット・デメリット
モデルハウス購入にはメリット・デメリットが存在します。ここでは、よく散見されるモデルハウスに関するメリット・デメリットを紹介するので、モデルハウスの購入の際の参考にしてみてください。
メリット
モデルハウスを購入するメリットは「見学してから決めることができる」「設計や土地探しをする必要がない」「安く購入できる」などが挙げられます。
見学できることで、外観はもちろん内装まで確認することができ、居住後のイメージが湧きやすくなります。モデルハウスは販売促進用として建設されているため、家具や家電、住宅性、内装などのグレードが高いことが多いです。ハウスメーカーや契約条件によっては家具や家電が付属している場合があります。モデルハウスは家づくりの失敗をせずに済み、比較的好立地な場所にあるという利点もあります。
多くの人が見学や宿泊体験をしている事から、通常の新築と比べ、1~3割ほど安い金額で購入することが可能です。建設グレードが高いおしゃれな物件を安く購入することができます。長期間売れない場合など、交渉次第では値引きに応じてもらえる場合があります。傷や汚れなど値引き交渉できそうな材料を探しておくのも1つの手です。
デメリット
モデルハウスを購入するデメリットは「仕様の変更はできない」「思わぬ修繕費が必要になる可能性がある」「必ず購入できるとは限らない」などがあります。
現存する建物を購入するため、間取りや配置などの仕様の変更はできません。おしゃれを重視するあまり、機能性が伴っていない、実用的でないこともあるようです。内装を変更するには、購入後に自身でリフォームする必要があります。予想外に費用が掛かってしまう恐れもあるため、事前に仕様を確認し、本当に購入するべきか検討しましょう。
人気なモデルハウスは先着順や抽選で購入者を決める場合がありますので、必ず購入できるとは限らないことを把握しておいてください。また、多数の見学者が訪れていた住宅になるため、傷や汚れ、家電の故障など修繕の必要が出てくる可能性があります。修繕費は買主が負担するのか、修繕した方がよい箇所はないかを購入前に確認しておくことで未然に防ぐことができます。
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R+ houseでは「建築家とのこだわりの家づくりをもっと多くの方に」をコンセプトに予算や敷地、周辺環境といった条件をもとにアイデアを出していきます。第一線で活躍する建築家たちが、お客様それぞれの生活スタイル、趣味などの“らしさ”をもとに、理想をこえる住まいをカタチにします。
R+ houseでは、ホームページにて施行事例や家づくりの費用やポイントなどを掲載しています。また、全国各地に店舗を構えており、個別相談会やモデルハウス見学などを行っていますので気になる方はぜひ足を運んでください。
まとめ
この記事では、モデルハウスを購入した方の失敗例を主に紹介しました。失敗例は以下の4つです。
これらの失敗を避けるために、次章にて失敗しないためのポイントとして、以下の3点を紹介しました。
〇〇
その他にモデルハウスを購入するメリットとデメリットにも触れました。よく散見されるメリット・デメリットは以下の表のとおりです。
モデルハウスは、設計や土地探しをする必要がなく、建設費が抑えられる分、安く購入することが可能です。見学することで間取りや設備の確認や居住後の生活をイメージしやすいというメリットもあります。しかし、抽選などで購入できない場合や、傷や不備が見つかり改修費が必要になることもあります。間取りや設備の移動などの変更は購入後にご自身で行わなければなりません。
モデルハウスを購入した方の失敗例や気をつけるポイントはもちろん、モデルハウスのメリット・デメリットも必ず確認しておきましょう。そのうえで、モデルハウスにするのか、住宅を新築するのかを検討し、理想の家を見つけてください。
<参考文献>